照明ランプが発しているのは、実は目に見える光ばかりではありません。例えば、紫外線や赤外線といった、目に見えない光が少なからず含まれています。そして、中でも私たちの生活にとって特にやっかいな存在なのが紫外線です。
紫外線による影響で第一に挙げられるのが、色あせ・変色。特に色が重要な意味を持つ衣料品や紙製品、食品、美術品、また紫外線が品質低下の原因となるお酒などは、照明ランプの選び方ひとつで、その価値を大きく左右します。
また、もうひとつ、照明ランプの発する紫外線が「やっかい」なのは、その光に昆虫が集まってくるから。これは、昆虫の見ることのできる光の領域が人とは違って紫外線領域に偏っているためで、虫が集まって来やすい屋外の施設や、衛生に気を使う食品工場などでは深刻な問題です。
そこで、照明ランプから紫外線をカットしてしまいましょう、という発想から生まれたのが、UVカット照明ランプです。ワンランプは、紫外線を吸収する性質を持つ特殊被膜や樹脂フィルムを加工することで、照明ランプから紫外線をカット。昆虫の飛来や商品の色あせ・変色を防いでいます。
実際にワンランプがどれくらい紫外線をカットしているのか、また、一般の照明ランプからどれくらい紫外線が漏れているのか、紫外線透過フィルターをビデオカメラに装着して、撮影実験を行ってみました。紫外線透過フィルターとは、可視光線を遮断し、紫外線のみを透過して目に見えるように変換する、いわば昆虫の目を持つフィルターです。
写真は、紫外線透過フィルターを使って、水銀灯とメタルハライドランプについて、一般に市販されている製品とワンランプを撮影したもの。このように、紫外線透過フィルターを通すと、ワンランプはほとんど見えなくなってしまい、紫外線が効果的にカットされていることを目で確認できます。
ひとくちにUVカット照明ランプといっても、様々な種類のものがあります。例えば、園芸用ハウスや露地栽培、果樹園などの農業分野では、害虫防除の目的で黄色蛍光灯が多く使われています。また、高効率・省エネの光源としてトンネルなどで使用されている高圧ナトリウムランプも、紫外線領域がカットされており、低誘虫効果に優れています。しかし、いずれも発光色が黄色やオレンジなどで、一般の作業所や事務所、店舗などには向きません。ワンランプは自然な白色の発光色なので、さまざまな場所で使えます。

